今知りたい「耐震」のこと
こんにちは、グレースホームです。
今日は、今ニュースになっているトルコで発生した地震の報道を受け、改めて耐震の事について考えていきたいと思います。
テレビで最近聞くようになったのが、今回の被害を大きくした原因でもある「パンケーキクラッシュ」。
パンケーキクラッシュは、柱となっている部分が崩れ、上の階が下の階に次々に落ち、折り重なってパンケーキのような形になる現象です。
数秒で建物全体がほぼ真下に崩壊することで、甚大な被害となってしまいました。
ここで疑問に上がるのが「日本でもこの現象は起こりうるのか」ということ。
今日は「地震大国日本」の耐震基準についてお話していきます。
新耐震基準
日本は1981年に「新耐震基準」というものを制定しました。
新耐震基準とは「震度5強程度の中規模地震では軽微な損傷、震度6強~7に達する程度の大規模地震でも倒壊は免れる」という基準です。
この基準は2023年の現在でも義務付けられています。
つまり「新耐震基準」より前の古い建物であれば、1階全体が崩壊する可能性があるということ。
また、震度7の大きな地震に見舞われたり、適切な施工が行われていないなど、悪い条件が重なってしまうと、複数層で壊れる可能性も否定できません。
トルコも日本と同じ耐震基準?
トルコでは日本と変わらない厳しい耐震基準があります。
しかし、耐震基準を満たさない違法建築でも、行政に書類を提出すればそのまま利用を継続しても良いとする制度「建築恩赦」を受けた建物が多かったため、今回のような被害となってしまいました。
最近建てられた建築物は耐震基準に合わせて工事が行われていますが、基準が制定される前の古い建物は、耐震補強をして現在の基準まで上げるべきです。
しかし、あくまでも「努力目標」というだけで、そのようなルールは世界のどこにもありません。
日本でも公共建築物や、大規模建築物の場合は「とても強い指導がされている程度」というのが現実です
キラーパルス
今回の地震ではパンケーキクラッシュの他にも、被害を大きくさせた要因として「キラーパルス」という現象が起きていたと指摘されています。
阪神淡路大震災でも観測されたことがある「キラーパルス」は、構造物に最もダメージを与える周期をもつ地震動のことです。
つまり、地震によってかかってくる荷重がとても大きかったということ。
そして、建物にとって非常に不都合な周期が、設計で予想されていたよりも2~3倍になって作用したということです。
地震に強い家
では、耐震基準をしっかりと満たした家づくりをするにはどうすれば良いのでしょう。
まずは「耐震等級」です。
耐震等級は、家の耐震性を表すもので1~3等級に分けられています。
◆耐震等級1
建築基準法で定めれている最低限の耐震性能を満たす基準。いわゆる「新耐震基準」。
阪神淡路大震災や熊本地震クラスの揺れ(震度6~7)でも崩壊や倒壊しない基準です。
気を付けたいのが「崩壊や倒壊しない」の一文。
これは「崩壊や倒壊はしないが、一定の損傷を受ける可能性がある」ということです。
その場合、補修や損傷の程度によっては建て替えになる可能性もあります。
◆耐震等級2
耐震等級1の1.25倍の地震に耐えられる性能。
災害時の避難所として指定されている学校などの公共施設は、耐震等級2以上が定められています。
◆耐震等級3
耐震等級1の1.5倍の地震に耐えられる性能です。
住宅性能表示制度で定められた耐震性の中で最も高いレベルであり、一度大きな地震を受けてもダメージが少ないため、地震後も住み続けられ、大きな余震が来ても安全です。
災害時の災害復興拠点となる消防署、警察署の多くが耐震等級3で建設されています。
熊本地震では、一度目の地震で耐えられた住宅も、二度目の地震で倒壊してしまう事が多かったところ、耐震等級3の住宅は二度目の地震の震度7に耐えられていたことが、専門家の調査によって分かっています。
グレースホームの家づくり
一生住み続ける家だからこそ、安全で快適で、デザイン性にも優れた家に住みたいですよね。
ここからはグレースホームの耐震性についてご紹介していきたいと思います。
グレースホームでは、全棟で「構造計算」を行っています。
木造住宅は、鉄筋住宅に比べて構造的に弱いイメージがあるかもしれませんが、きちんと「構造計算」された家は、決して弱いとは言えません。
ちなみに、面積規模で500㎡以下、木造の2階建て以下の建物は構造計算は免除という扱いになっているため、「簡易計算」で建てられているものがほとんどです。
その中で「簡易計算」ではなく「構造計算」をする理由はただ一つ。
大切なご家族の命を守り、安心安全に暮らせる住まいを創るという使命があるからです。
三次元立体解析
グレースホームでは、ご家族の生命を守るため、より精密な解析が可能な「三次元立体解析」を採用しています。
木造の構造設計では、「二次元設計」が大半です。
しかし二次元解析は複雑な形状を計算することが苦手で、段差や吹き抜け、登り梁や斜め壁などには対応していないため、計算出来る範囲が限られています。
これに対し、三次元立体解析は変形量と応力を詳細に計算することができます。
複雑な計算が出来る反面、扱いも複雑なため専門性が必要であり、構造設計に精通している人でしか扱う事が出来ません。
グレースホームでは、この「三次元立体解析」を用いて「耐震等級3以上」を担保します。
形・大きさ・材料が違う建物が地震や風でどのように揺れるかをシュミレーションし、安全性が担保出来るまで分析・検討を重ねます。
さいごに
今日は、耐震についてお話していきました。
普段あまり考える機会がないかもしれませんが、この機会にもう一度地震に強い家づくりを考えていただければと思います。
本日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。
グレースホームでは、家づくりに関するご相談、資金相談、モデルハウスの見学を随時行っております。
また、期間限定の見学会もございますので、お気軽にお問い合わせ下さい。