日本の住宅寿命
日本の住宅寿命は30年⁉
こんにちは。GRACEHOMEのブログをご覧いただきありがとうございます。今日は、日本の住宅の寿命や長持ちする家の特徴について見ていきたいと思います。
突然ですが、皆さんは日本の住宅寿命が何年と言われているかご存じですか?答えは約30年です。30歳で家を建てて、定年する頃にまた家を建て直さなければならないと考えると、セカンドライフを楽しむ余裕があるだろうかと心配になってしまいますよね。
では世界の住宅はどうでしょう。アメリカ60年、ドイツ80年、イギリス100年、日本の2〜3倍は当たり前。ちなみにドイツは80年ですが、統計上ですと第2次世界大戦で大半が焼失してしまったからだそうで、実際には築数百年で現役の建物が数多く存在しています。
なぜ短い?日本の住宅寿命
高度経済成長期に建てられた規格住宅には、すぐにダメになることが想定されている安い「新建材」が使われている事が多いと言われています。(※左が無垢材、右が新建材)
「新建材」とは化学合成品で作られた建材で、高度経済成長期以降の住宅は、大事な柱や梁をボンドで貼付けた集成材、外壁材をセメント質原料で作られたサイディング、内装材をビニールクロスや合板フローリングなどの化学合成品で覆い、さらに、ガラスを原材料として作られるグラスウールなどといった化学繊維で出来た断熱材を詰め込んで施工しています。こうすることで、見た目は傷ひとつない、頑丈そうな住宅が「早く」「安く」出来上がります。
しかし、こういった製品は必ず劣化していきます。
長持ちする家
では日本で長持ちしている建物の特徴を見ていきましょう。
奈良県東大寺の正倉院は1300年経った今でも美しい姿のまま維持されています。正倉院で採用された工法は「板倉造り」といい、杉の柱に溝をほり、杉板を落とし込んで板壁を作り、基本的な構造を造るものです。杉の粘り強い性質を耐震性に活用した、丈夫な構造で、杉板の構造材がそのままで仕上げ材になり、調湿効果のある木の良さを最大限に生かした工法なのです。
世界最古の木造建築から学ぶ
世界最古の木造建築といえば、法隆寺です。法隆寺の建造物で使われている木材は、非常に強度が高いと言われています。木材の中でも最高レベルの耐久性と保存性を誇る桧(ひのき)を使っているからです。そして、一般的に木材は伐採後の100~200年で少しずつ強度を増して、1000年が経過するまで強度はそれほど変わらないとも言われています。また、災害や湿気が多い日本でも1000年を超える建築は、耐震の事もしっかりと考えられた設計になっており、法隆寺は地震が起きた際に波に乗るように建物が動く造りになっています。
家を建てるなら無垢の木
以上で見てきたように、日本で100年、200年と長持ちする家の秘密は、日本の伝統的な木造工法にあるようです。また、使用する木材選びも大事ですが、日本で家を建てる際は、日本産の無垢の木が良いと言われています。近年、安価な外国産木材の輸入が増え、日本は世界でも有数の木材輸入大国になりました。外国産木材にも、もちろん素晴らしい木もあります。ただ、外国で生まれ育った木は湿気の多い日本の風土に合わず、割れや反りなどの狂いが起こりやすくなるといわれています。日本産の無垢の木が良い、といわれる所以は、この風土への適応能力です。
まとめ
いかがでしたか?日本の住宅は寿命が短いという事と、その理由がお分かりいただけたと思います。せっかくの家づくりですから、30年と言わず、お子様の世代まで住める家にしていきたいですよね。家づくりの際には素材、耐震構造、気密性、断熱性などしっかりと考えていただけたらと思います。
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。